火葬炉の仕組みと構造 温度と時間

2017年01月23日
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火葬場の主燃炉には、ロストル式と台車式の二つのタイプがあります。ロストル式ではご遺体の入ったお棺をロストル(オランダ語で火格子の意味)に乗せて焼きます。時間は50~60分ほどで温度は約800~950度に設定されています。台車式では台車に乗せたお棺を主燃炉に入れてバーナーで焼きます。時間はロストル式より少し長い60~70分で温度は同じ約800~950度です。

温度が同じである理由はダイオキシンの発生を防ぐ環境面への配慮と遺骨が燃え尽きてしなわないようにするためです。ロストル式は網の下から焼き、下の骨受け皿に骨が落ちる仕組みなので設備コストが安く、燃焼効率が良いので火葬時間が短いというメリットがあります。しかし骨が落ちる過程で遺骨がバラバラになりやすく、また落下する際に飛んだ汚汁が燃焼しきらず悪臭が残るといったデメリットがあります。

台車式では台車に乗せて焼くので遺骨がきれいに残り、また台車を用いているのでロストル式のような悪臭も少なくなります。しかし、台車を用いるため設備にコストがかかり、ロストル式よりも遺骨化に時間がかかります。使用される燃料は都市ガスや重油が多く用いられています。現在、主に台車式が主流となっており、ロストル式は全体の数%となっています。遺骨がバラバラにならないことから遺族に喜ばれているのが要因です。

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